2019年8月22日木曜日

四脚歩行ロボットを作る その3 構造を考える

1.犬だか馬鹿だか

更新が停滞していたよつあしロボットの(ひと月ほど前の)進捗です。

今回はロボットの構造とおおよその寸法についてです。
憧れの大先輩Spot Miniさんは、とてもすらっとした体形をされています。

スレンダーな胴体とほっそりした脚ですが、引っ張られても蹴られても軽やかなステップで決して倒れる事は有りません。
見れば見るほど洗練された機能美を感じますが、良く見ると犬?では無い様な気がします。

いろんな犬と比較すると、犬の方が短足気味な気がします。大体の犬では、つま先から肩や股関節までの長さ(脚の長さ)(H)と、肩から股関節の長さ(胴の長さ)(L)を比較すると、L>Hとなっている様です。一方でわれらがSpot先輩は、L=H寄りのL≦Hの様に見えます。

前肢の関節の向きは異なりますが、足の長さだけなら、とか鹿寄りなんですね。
構造を考えるうえで、軽やかに見えるスタイルも重要ですので、可能な限り足長にしておきたいと思います。

2.基本構造

一肢につき3自由度を与える事は以前にも述べましたが、関節の配置も何通りか選択肢があります。いくつか案をかんがえたのですが、今回は下図の通りとしました。力学的には少し無理のある形状ですが小型軽量なため、少々の無理は効きそうだと判断しています。座標計算が少し簡単になる構造を選びました。

ちなみに今回は3DCADでの設計は行いません。
工作精度も強度もそこそこで良いので、サクサク組んで早く試してみたいので。

3.実寸法の検討

基本構造と全体のバランスイメージが固まったので、実際のサーボサイズに合わせて脚と胴の長さを決定します。
サーボサイズを考慮した構造は次の通りです。側面から見た図となります。

配置の都合で、胴の長さはサーボサイズでほぼ決まっています。前肢から後肢の間の距離は約110㎜となります。
脚の長さはL≦Hから、110㎜以上。とはいえ、あまり長くするとサーボへの負荷が大きくなりすぎますのでH=110㎜としました。計算の簡略化のため、肩から肘、肘から足先の長さは1:1としました。

4.トルクの確認

さて、何となくの形状バランスだけで形を決めてみましたが、サーボモータのパワーについても考察しておく必要が有ります。
4脚ロボットですのでロボットの自重を4本の足で支えなければなりません。ではロボットの重量は?と考えるとまだまだ決まってないのですが、現在判明しているだけでも次の重量がかかります。

単4エネループ×4本=13g×4本=52g
サーボ×12個=9g×12個=108g

あとは電池ボックス、基板、ブラケット、マイコンボード、圧力センサー、ジャイロセンサー、PWM増設基板等です。
おそらくこれらで100g程度にはなりそうですので暫定目標は体重250gとしておきます。

サーボの回転方向へかかる負荷は、脚に掛かる負荷を回転方向のベクトル成分に分解してやる必要がありますが、最悪の場合100%がサーボへの負荷となります。仮に250gの負荷が11cmの長さの足一本に掛かった場合、最大で2750g・cm=2.75kg・cmとなり、SG90のストールトルク1.8kg・cmを大きく超過してしまいます。
しかしながら、一本脚に、体重と同荷重以上の負荷がかかると言う状況は(飛んだり跳ねたりしなければ)まずありえません。常に2本以上の脚が接地してなおかつ関節の角度も適切であれば、体重の20~30%程度の負荷に収まるのではないかと予測しています。

ちなみに高トルクタイプのSG92Rであれば、ストールトルクは2.5kg・cmですのでまだトルクが足りませんが、基本2本の脚で支えると考えて1.375kg・cm。衝撃荷重や安全率を考慮するとまだ足りませんね。

4.まとめ

こまごま考えてみましたが、初号機はいろんな問題を探すべきテストベッドですので、あまり深く考えすぎずに手を動かしてみましょう。

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