2019年7月11日木曜日

Track IR 5 無線化

正確にはClip Pro無線化かな?

フラシムのヘッドトラッキングにTrack IR5+Clip Proを使ってるんですが、ヘッドホンの線が右側、Clip Proの線が左側と言う、ストレスフルな環境でした。

ヘッドホン自体が音楽観賞用のヘッドホンを使ってたこともあり、無線ヘッドセットに買い替えようと決意。せっかく無線にするんだからClip Proも合わせて無線化しました。

注意事項
著者は電子工作初心者です。試行錯誤の過程を楽しんでいただくためのブログです。実際に試したデバイスだけを載せていますが、回路が間違っている可能性や安全対策が不十分な場合があります。たぶん、おそらく、確実にあります。電子工作に関してはご自身でも再考し、ご自身の責任の範囲内で実施して下さい。願わくば、間違いなどは優しく指摘して頂くとありがたいです。

1.設計要件

  • 赤外線LED3個を発光させる。
  • 電源はわが家の標準電源(エネループ)を使用する。
  • ヘッドセットへの着脱はなるべく簡単に。
  • 構造もなるべく簡単に、なるべく軽く。

2.設計のポイント

①赤外線LEDの選定

 先人の知恵はありがたく頂きます。
 OSI5FU5111C-40 ×3個
 順電圧Vf=1.35V、max1.6V
 許容損失Pd=160mW 

実はこの情報を知る前に適当に買った赤外LEDを使ったのですが、光が拡散しすぎていたらしく正確に位置判定してくれませんでした。OSI5FU5111C-40の仕様書を見ると50%Power Angleが15°となっています。たぶん光の50%以上が前方15°以内に収束してるんでしょう。ちがったらごめん。
 

②電源の選定と回路設計
LEDが決まったので電源と回路を考えます。エネループを使う事は確定なので、回路も設計可能です。軽量化を考慮してエネループは単4を使用します。エネループの電圧はおよそ1.2Vですので一本では電圧不足、電池は2本直列でつなぎ、LEDは3個並列接続します。抵抗を使って電圧を2.4Vから1.35V付近まで落として使用するものとします。

回路図にするとこんなかんじか?


 抵抗で落としたい電圧=2.4V-1.35V=1.05V
 LEDに流す電流=100mA×3=300mA
 抵抗の容量=R=V/I=1.05V/0.3mA=3.5Ω
 実際には3.3Ωの抵抗を入れるとすると、抵抗での電圧降下=3.3Ω×0.3mA=0.99V
 LEDに掛かる電圧=2.4V-0.99V=1.41V

ちょいと電圧高めですが、最大値の1.6Vは下回ってるのでいいのか?

※ちなみにこのデバイスはひと月ほど前に完成しているのですが、10Ωの抵抗を2個並列で入れた気がする・・・。その場合、合成抵抗は5Ωで、電圧降下は1.5V、LEDへの印加電圧は0.9Vになって光らないよな。。。。使えてはいるけど何かおかしい気がするので現物を要再確認ですね。

気になる連続使用時間についてですが、単四エネループの電池容量は一本当たり750mAh、二本で1500mAh。回路の電流は300mAなので、100%使用時5時間、実際には5掛けか7掛けとして2.5~3.5時間は持つんじゃないでしょうか。一日での使用時間が長くて2~3時間なののでまずは良しとしておきます。必要なら大容量の電池に改造しようかな。

③電池ケース
単四エネループが2本入るケースならなんでもいいんですが、スイッチ、フタ付きをみつけたのでこれにしました。


④構造体
 一番頭を悩ませたのはこれです。どうやってclip proの形状をつくろうか。3Dプリンタ案、板金加工案、プラ材加工案、金属パイプ加工案など有りましたが、最終的には100円ショップのアルミハリガネで作りました。
 たしかφ2程度のものを使用しています。手で簡単に曲がりますので形は自在に変形可能。分岐形状が有りますがトポロジー的には?十字架と同様の形状です。クロス部を細いピアノ線でぐるぐる巻きにし、エポキシ接着剤で固定しています。電池ボックスとアルミフレームもエポキシ接着剤で固定しました。
ダイソーのワイヤー

ダイソーのエポキシ接着剤

⑤着脱機構
 ヘッドセットと無線クリップの着脱には、3Mのデュアルロックファスナーと言う面ファスナーを使いました。オスメスのないマジックテープの様なもので、マジックテープよりも強い接合力を持ち、かつ繰り返し着脱も可能です。
 たまたま仕事の関係で3Mの方からサンプルを頂いたのですが、今回の用途にはかなり適しています。正規品のclip proも着脱のヒンジ構造が弱点だったりしますが、面ファスナーなら可動部分がなく破損の心配がありません。
 ただし、ヘッドセットやクリップへの取付けは両面テープですのでこれが嫌な方は別の方法を考える必要があります。

3.完成品


なんとか形になりました。配線やLEDは収縮チューブで固定していますので、見た目は悪いけど形はすっきりまとまりました。



ヘッドホンへは面ファスナーを使った固定ですが、しっかり食いついてます。

4.今後の改良点
ひと月ほど使ってみて、改良したいポイントもいくつか見つかっています。モチベーションが上がったらまた改良してみようかな。
  • アルミワイヤーが柔らかすぎて変形しやすい。
  • 電池のもちはもっと伸ばしたい。
  • 電源の消し忘れ防止をしたい。
  • 結局ワイヤレスヘッドホンはまだ買ってないので無線化になってない。。。
アルミワイヤーでも十分機能してはいますが、置き方によってはヘッドホンの自重程度で変形します、次作るなら番線とかで作っても良いかも。
電池のもちは、単3にするだけで寿命2.5倍、単3のエネループプロを使えば3.3倍になるので必要なら改造しても良いかな。
赤外線LEDは目視では点灯が判らないので、ついつい消し忘れてしまいます。インジケータ用のLED追加すると使用時間が短くなるので悩ましい。
ワイヤレスヘッドホンはlogicoolのG933買おうかと思ってたら最新型のG933Sが発売されててまさかの2万円オーバー。ちょっと躊躇してます。

完全無線化までは進んでいないものの、ケーブルが2本から1本になったたでけでストレスは大幅に減少しました。必要な工作スキルは低く、費用もかなり安いのでお勧めの一品です。



1 件のコメント:

  1. 情報ありがとうございました。私も参考に自作いたしました。USBを分割していたのでてっきり信号のやり取りもしていると思い込んでいましたが、電源供給だけだったとは盲点でした。 LEDは指定のものを購入し、5Ωの抵抗も発注したら見たことない大きな抵抗が納品されて驚きました。(私も電子工作は初心者なので。。。) 私の場合は、スピーカーを使用しているので、これで完全ワイヤレスになってすっきりいたしました。お礼まで。

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